『風習・しきたり』 大晦日のタブー

今年も残すところ、あと半日となりました。年末の大掃除や新年の準備に忙しいという方が多いでしょうか? 人によっては今日も出勤だという人もいるかもしれませんね。さて、今日は大晦日です。一年を締め括る最後の日ですよね。言われるまでもなく知っているとは思いますが、では、なぜ今日を「大晦日(おおみそか)」と呼ぶかと問われると、知らないと答える人が多いのではないでしょうか。そもそも「晦日」って何?大があるってこ...

『奇談』 大地に根ざす石

下総国葛飾郡立石村(現在の東京都葛飾区の辺り)の新右衛門の畑の中に不思議な石があるというお話です。この石は地中から一尺(約30センチ)ほど突き出た丸い石なのですが、主の新右衛門が大きさを測ろうとしても、地中深く埋まっているようで、どのくらいの大きさなのか分かりません。しかし、この石が無ければ、畑を耕すのには都合がいいと考えた新右衛門は、どうにか掘り出してどけてしまおうと考えます。そして、ある日のこ...

『風習・しきたり』 日本人とクリスマス

今日はクリスマスイブですね。街中はどこでも華やかなムードで、誰かと食事をしたり、イルミネーションなどを見に行くという人も多いのではないでしょうか。さて、このクリスマス。日本古来からのお祭りではなく、海外から伝わったものであることは多くの方が御存知だと思います。しかし、いつ頃からそんな行事が始まったのか、知っている人はあまりいないのではないでしょうか。と、いうことで、日本でのクリスマスのルーツを遡る...

『昔話』 手なし娘②

今回は前回の続きからお話が始まります。前回:手なし娘①『鬼のような子供が生まれた。あんな嫁は追い出してしまったほうがいい』母親の悪巧みに気が付かないまま、若い衆は夫の元に子供が生まれたという知らせを届けます。夫はその内容を見て驚きますが、『いや、いくら鬼のような子でも、俺の子だ。育てるつもりだから、俺が帰るまで嫁は家から出さないでくれ』と返事を書いて、若い衆に渡します。若い衆はすたこらと来た道を戻...

『昔話』 手なし娘①

昔むかし、美濃の国(現在の岐阜県南部)に身上のいい裕福な家がありました。そこには息子がいたのですが、もう嫁をもらってもいい年頃になったというのに、どうにも気に入った娘がおらず、嫁探しの旅をすることにしました。その折、「大阪の鴻池(こうのいけ)にいい娘が二人いる」という噂を耳にし、これは都合がいいと、息子は早速その娘がいるという家へ向かうことにしました。呉服屋のふりをして、連れの若い衆と二人、その家...

『奇談』 美味なる怪鳥

文化6年、10月の初め頃のこと、豊前小倉領(現在の福岡県小倉市)で変事がありました。とある深山で、木こりたちが仕事や寝泊まりをするために小屋を拵えて、6人が生活していたのですが、ある日のこと、そこに住んでいた木こりたちが五人、山を下りて酒を飲みに行ったことがありました。この時、1人が山小屋に残っていたのですが、この木こりは普段から病弱で、仕事も満足に出来ない状態でした。そして、夜になって、五人の仲...

『風習・しきたり』 夜に爪を切るな

『夜に爪を切るな』誰かからそう言われたことはありませんか?例えば、自分のおじいさんやおばあさん。高齢の方だと知っている人は多くても、若い人にはあまり馴染みのない話ですかね。実はこれ、日本に古くからある『言い伝え』なんです。でも、どうしてそんなことを言うのか、御存知の方はいるでしょうか。今、初めて聞いた、という人も考えてみてください。どうして夜に爪を切ってはいけないのか。『うーん、分からないな。むし...

『怪異譚』 怪しき樹のこと

上総国(現在の千葉県)の大久保というところには樹の化物が出るという話です。とある山の裾野、田んぼに続く道の傍に大木が多く連なっているところがあります。この道を深夜に行き過ぎる時なのですが、大木が道を塞ぐように幾重にも横たわっていて、非常に通りにくくなっていることが毎年あるのだそうです。これを知っている人間は、いつも心得ていることでして、まずは来た道を引き返した後、しばらくしてからもう一度進むと、倒...

『奇談』 宝物を持った猿

私が先年、奥州会津(現在の福島県)にいた時のことであります。黒沢という場所を訪ねていたのですが、その山中にはかつて大きな猿がいたのだそうです。この猿に従う猿は二百匹を超えていて、皆食べ物を持ってきては彼に与え、また、この猿が木に登れば、猿達はその下に集まるものの、決してその上の枝まで登ることはありませんでした。まさに猿の王と呼べるでしょう。さて、この王猿なのですが、なぜかいつも黒くて丸い物を持って...

『怪異譚』 夕闇の笑い女

離森の長者屋敷にはこの数年前までマッチの軸木の工場があったのです。しかし、この工場の小屋の戸口に、夜になるとどこからともなく女が現れて、人を見ればゲタゲタと笑うというので、不気味に思った人々は工場を別の場所に移転させてしまいました。なんでも、その笑い声を聞いた者はなぜか寂しさがこみ上げ、それに耐えられなくなってしまうのだそうです。その後、同じ場所に材木を伐出する作業員のための小屋が作られたのですが...