『妖怪』 おとろし

全身毛むくじゃらの妖怪おとろしです。以前、資料や解説文などが存在しない正体不明の妖怪わいらを紹介したことがありますね。こちらのおとろしは、そのわいら同様、どのような妖怪なのか、伝えられている話はほとんど皆無です。おとろし、という名前から「おどろおどろしい」や「おどろ髪」といった言葉と関連しているらしいのですが、それ以外、これといった説明はありません。というと、話がここで終わってしまうので、今回はこ...

『妖怪』 野衾(のぶすま)

野衾(のぶすま)は鼯(ムササビ)の事なり。形蝙蝠に似て、毛生いて翅(はね)も即肉なり。四の足あれども短く、爪長くして、木の実をも喰ひ、又は火焔をもくへり今回ご紹介するのは「野衾」なる妖怪です。しかし、妖怪とは言っても、上記の説明文にある通り、これは列記とした日本に生息する動物、ムササビのことを言っています。夜行性で木々の穴の中に棲みつくことで知られ、特に高い樹木の間を手足を伸ばして滑空し、飛び移る...

『妖怪』 野宿火

きつね火にもあらず、草原火にてもなく、春は桜がり、秋は紅葉がりせしあとに火もえあがり、人のおほくさわぎ、うた唱ふ声のみするは野宿の火といふものならん。        ― 桃山人夜話 絵本百物語 ―今回ご紹介するのは、「野宿火」です。これは読んで字のごとく、街道や山中で人が起こす火のことなのですが、時折、人気のない場所で、その火が燃え上がることがあります。消えていたはずの火がついたり、また、知らぬ間に...

『妖怪』 布がらみ

青森県三戸郡田子町長坂でいう妖怪。昔、長坂に布沼という大きな沼があった。この沼には布がらみという奇怪な主が棲むといわれ、人々から怖れられていた。布がらみは布に化けて沼の畔の垣根にかかり、人がそれを見て、取ろうとすると、たちまち伸びて人にからみつき、沼に引き込んだ。この布がらみに妻と娘を沼に引き込まれた男が、この主を退治しようと決心し、神のお告げによって、鳩の卵を1つ持って布沼に出かけた。男が沼の畔...

『妖怪』 がしゃどくろ

ーー誰もが寝静まった深夜、戦などで野垂れ死にした者たちの死体が巨大な骸骨となって現れ、がしゃがしゃという音をたてながら歩き回り、生きている人間に襲いかかって、握りつぶしながら食べるというーー今日ご紹介する妖怪は、その名も、『がしゃどくろ』です。ご存じですか?いつもならここですぐに解説に入るのですが、今回はその前に、まずは上の絵をじっくり見てもらいたいのですが、どうでしょうか?巨大な骸骨が建物の壁を...